あそんでたべてまたあそんで。
夜寝る前は布団のうえでふうちゃんと遊びまくり、それはもうお祭りみたいな騒ぎです。林に囲まれた我が家では夜も騒ぎたい放題です。
「いよいよ闘いの始まりなのですねぇ!!!」と威嚇するふうちゃんですが、ゴロゴロと喉の音が丸聞こえです。
そして対戦相手の私の腕にぽにょぽにょの肉球でしがみつきます!ガブリと噛み付いてみたもののそれはパジャマだったりして私へのダメージはゼロです。
口を開けるも決して噛み付かないふうちゃんです。
口を開けると喉のゴロゴロ音もさらに一層大きく聞こえます。
ふうちゃんの心優しい遊び方にメロメロの私です。
ところで先日、私はふたつの両極端なDVDを観てしまいました。
一つは「西の魔女が死んだ」…梨木香歩さんの原作を忠実に再現した素晴らしい映画です。シーンのひとつひとつが素敵で夢中になれるのです。
映画館でもおいおいと泣いたのですが、DVDでもおいおいと泣き、しかも何度も見直せるので同じところでおいおいと泣きました。
DVDというのは便利なもので英語字幕というのもあるので日本の映画を観るときも英語字幕もチェックします。
「魂は成長したがっているのです。」と、まいちゃんの素朴な、しかし深~い質問にお布団の中で丁寧に答えるおばあちゃんに胸が熱くなります。
「時々真夜中にお菓子を焼きたくなるんです。」と言ってまいちゃん部屋でクッキーをかじるシーンもとっても素敵です。
最後に絶妙なタイミングで流れる音楽にもやはり涙を流し、もう私のハンカチはずぶ濡れなのです…。
そしてもうひとつは「風立ちぬ」です。「西の魔女が死んだ」が原作を忠実に再現していたのに対して、こちらは「原作なんてどこ吹く風…わざとか?!というくらい原作無視」の映画でした…。
二人の仲を引き裂くのは強いて言えば肺結核による死であるはずなのに、戦争やら父親やらお見合い相手…戦争が入る時点で相当内容が違ってしまいます…。
もう戦争のことが入るたびに「だから戦争は関係ないんだってば!」と叫んでしまう私です…。
その後も友和の手にしてる本が「ヘッセ」であったときも「せめてヴァレリーかリルケを!ヘッセは関係ないんだってば!」とか、友和が百恵のデッサンをする姿を見て「絵を描くのは百恵のほう!そこなくしちゃったらもう「風立ちぬ…」とかつぶやく機会すらないわ!それじゃなんでこの映画は「風立ちぬ」なの~?!」ともう酔っ払いのおやぢのように野次しまくりです…。
そして友和はあろうことか彼女を看取らず戦争へ…(だから戦争は関係ないんだってば!再び…)
無事帰って来たときには彼女はこの世にはいないのですが、木陰に立って「風立ちぬ、いざ生きめやも」などと取って付けたように呟いたので私はのけぞってしまいました…。
原作を読んだ人がこの映画のタイトルを知らずに観ても「これ風立ちぬ?」とは聞いてくれないでしょう…こんなに原作に沿ってない映画を観たのは初めてだったので途中から筋は追わず「百恵と友和はお似合いだなぁ!!友和なんて小栗旬みたいじゃーーん!」と違う方向で楽しみました……はっ!!!これが狙いか?!?!脚本家は意図的に原作の部分をぜーーんぶはぶいたのかしら?!友和と百恵に集中させるために?!それなら大成功です…当時のことは知らない私でも、この二人がまぶしい組み合わせであることは間違いないことが分かりました。
そしてDVDを見終わったころ、プリンママちゃんから「今電車に乗りました」のメールが来ました。お泊りして少し大きくなったふうちゃんと派手に遊ぶつもりのプリンママちゃんなのです。
まだ人見知りをすることもないふうちゃん、カメラを向けてもへっちゃらです。
お土産のおいしいお菓子を食べながらコーヒーを飲み、ひととおりお喋りをしたあと、カップなどを洗っていると、なにやら楽しげな笑い声が聞こえてきました。
急いで笑い声のする方に行くと、ふうちゃんがいつになくエキサイトしていました…。
さすが元ちゃこママ…子猫を遊ばせるのが大変お上手です。
体のカーブを利用してふうちゃんを全力疾走させていました。
「でんぐりがえしだってしちゃうのです!!」
…ま、負けた…こんな技は私の「ふうちゃんの遊ばせ方辞典」には載っていませんした…。
「田舎に来たら散歩よ、散歩。」と、遊びつかれたふうちゃんをしばし置いてお散歩に出かけました。道端にあるかわいらしい草花を摘みながら初夏の田んぼの風景などを楽しみました。
家に戻るとふうちゃんはわたしたちの気配に気付いて窓に駆け寄ってきました。
手にしていた花を見せると興味津々の様子で立ち上がりました。
ふうちゃんの立ち姿は何度観ても飽きません。まるでブースカみたいです。
そして夕ごはんはみんなで焼肉です。たらふくごはんを食べ、お布団に寝かしつけられたふうちゃん、焼肉の香りがしてもぐっすり熟睡です。そして大人は焼いて焼いて焼きまくりです。
大雑把なO型である私たちは鉄板が見えないくらいにどんどんのせるので、悠長にテレビなんか見ていたらどんどん焦げていきます。次から次へと食べるのです。休むことなく食べるのです。
こんなに食べたのに次の朝には私が手作りしたホワイトソースで作ったグラタンを食べようっていうんだからその食いしん坊ぶりにふたりして笑ってしまいました。
「これあっちあちなんですよねぇ。」とふうちゃんは遠巻きにグラタンを見ていました。
その姿をみてプリンママちゃんも「こんないい子が来て嬉しいでしょ!」と言ってくれたのですが、その言葉自体が最も嬉しかったです。
夜中の3時まで喋って歌って騒いでいた私たちに付き合ったふうちゃん、起床がいつもより2時間も遅れて9時でした…シラフで真夜中に大声で歌う私たちをふうちゃんは首を伸ばして珍獣を見るような目で見ていました…。
最近のコメント